2019.09.19更新

FR-3基材とは?特徴解説!

FR-3基材(JIS規格の名称PE1F)は、耐熱性紙基材とエポキシ樹脂を原料とする紙エポキシ基板(紙エポキシ樹脂銅張積層板)です。紙フェノール基板(FR-1・FR-2)と同じく片面板によく使いますが、FR-1や2よりもFR-3の方が耐アーク性・耐トラッキング性・耐湿性に優れています。そのため、高電圧回路や耐湿性を要する回路に用いることが多いです。

FR-3基材について解説する男性耐アーク性は、アークによる破壊や性質変化に耐える強さを表すものです。アークとは2つの電極間にある気体に発生する持続的な放電(絶縁破壊)の1つで、生じた時には高温と強い光を発します。電極間の気体分子が離れたことによるイオン化でプラズマが発生し、その中を電流が流れると電極間にアーク現象が生じます。

身近なところでは、通電中のプラグをコンセントから引き抜いた時に見られるスパーク(放電による火花)がアーク現象です。アークが起きると、その電力による高温で材質に劣(分解や炭化)が生じます。アークは初め電極付近でしか起きませんが、炭化した部分が導電路となり、発生範囲が広がっていきます。これを、アークトラッキングと言います。

耐アーク性はこのようなアークによる材質劣化に対する耐性のことで、高いほど表面で起きたアークの消滅時間が早くなります。消滅時間が早ければその分材質の崩壊も少なく済むため、劣化までの期間が延びることに繋がります。耐アーク性が低い場合は炭化速度が速くなるため、部品寿命が短くなります。

耐性の強弱は、アークトラッキングの発生からアークが消失するまでの時間で決まります。トラッキングは電解と電解質汚染の間で起きる複合作用を原因と炭化導電路(トラッキング)形成による絶縁破壊のことで、高温を発する現象なら起こり得ます。耐性が高いと消滅時間が早く炭化導電路の発生も少なく済むため、高ければ高いほど耐トラッキング性も高くなることが多いです。

高い耐性を持つ樹脂とプラスチックは、ベンゼン環を含まず主鎖の途中に窒素や酸素が統合したアミノ樹脂などです。アミノ基を含む化合物とアルデヒドを反応させることで熱硬化性樹脂が作り出せるもので、耐溶剤性・耐油性・電気的特性に優れています。逆に耐性が弱いのはフェノール樹脂で、高濃度のベンゼン環と高温下で炭化しやすいという欠点がア-クとの相性を阻害します。

耐湿性は、水蒸気に接しても劣化や化学反応が起きにくいことを表しています。よく誤って混同される耐水性は、水に接したり水中に入れることをしても劣化・化学反応・溶解が起きにくいことを表します。水に直接触れるのか、気体中の水分なのかの違いです。

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