2019.08.08更新

FR-1基材とは?特徴解説!

FR-1基材は、耐熱性紙基材とフェノール樹脂で成り立つ紙フェノール基板(紙フェノール樹脂銅張積層板)です。アメリカ規格のANSIやNEMAではFR-1と称しますが、日本の経済産業省が管理する日本工業規格(JIS)ではPP7Fという名称になります。基本色は緑ではなく、黄色や褐色です。

プリント基板にはフェノール樹脂を使用した種類が多くありますが、フェノール樹脂とはフェノールとホルムアルデヒドという原料で作られる熱硬化性樹脂のことです。いわゆるプラスチックの一種ですが、世界初の植物以外から作られた人工合成プラスチックだと言われています。硬化した樹脂は立体感のある網目構造を持ち、合成樹脂の中でも耐熱性に優れています。電気的・機械的特性が良好です。

最も代表的なプリント基板とされ、どの種類よりも古くから用いられています。耐熱性紙機材と耐熱性を有するフェノール樹脂を原料とすることから基本的に難燃型ですが、FR-1でもXPC(PP7)と称されるものは非燃性型です。XXXPC(PP3)とXXXP(PP5)もありますが、XPCも含め非燃性型は量産する安価な民生品向けです。

FR-1のメリットには耐熱性もありますが、比較的に低価格であることも利点に挙がります。また、相対密度が小さく穴あけ加工などが可能といった他のメリットも存在します。歴史ある代表的なプリント基板である反面、現代では最もよく使われる種類ではありません。しかし特徴的に需要はあるため、用途や事情に合わせて選ばれる種類です。

キーボードFR-1が主に使用されるのは、片面基板(1層基板)です。複雑でない回路の構成に向いているのは、最も古いプリント基板ゆえのことでしょう。複雑でない回路と言っても、現代の中でもあらゆる電気系の品々に用いられています。白物家電・キーボード・家庭用電話機など、身近な電機類の中にも存在しています。

他にも、据置型ビデオテープレコーダー・ハイビジョン以前のテレビ・ステレオ・ラジカセにもFR-1が使用されます。現代的に古いと言われる電機類は複雑でない回路のものが多いため、FR-1の使用率が高い傾向です。その当時はFR-1が主流であったことから、電機の回路もFR-1の特徴に合わせたものになった可能性も考えられます。

FR-1は通常、メッキによるスルーホール(基板穴の内面に銅メッキをして電気的に回路を繋げる穴)を形成することができません。その欠点を補うため銀ペーストを穴に重鎮して形成する銀スルーホール基板を使用し、ゲーム機・リモコン・オーディオなど更に使用の幅が広がりました。

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