2020.02.24更新

フレキシブル基板とは?

フレキシブル基板(フレキシブルプリント配線板)は、リジット同様に現在主流のプリント基板です。同じく基板パターンは銅で成り立ちますが、銅箔には圧延銅箔を使用しています。圧延銅箔は純度99.9%以上のインゴットを加熱し、それを圧延して作ります。圧延銅箔は可撓性と屈曲性を持つため、リジットでも銅箔が3オンスを超える場合は電解銅箔ではなく圧延銅箔を使います。ちなみに、可撓性はそり曲げられる特性、屈曲性は折り曲げられる特性のことです。

樹脂には、一般的にポリイミド樹脂またはポリエステル樹脂を使用します。製品にもよりますが、デュポン社製のポリイミドフィルム(カプトン)には数値の表示がないため、気温としての温度なら約300℃まで耐えられます。ポリイミドのデメリットは強いて言うなら吸湿性で、その吸湿率はガラスエポキシ樹脂の3倍以上です。

ガラスポリイミド基板は、もともとアメリカ航空宇宙関係の高難燃性材料用で開発されたものでした。はんだの温度400℃前後の使用もでき、高い耐熱性も有しています。硬質板としても使用可で、今は主にフレキシブル基板に使用することが多いです。

製造の話ですが、フレキシブル基板は片面板(1層基板)であっても各材料が加工された後に仮接着して積層する積層工程が存在します。リジットは多層板以外で積層工程を要することはないため、基本的な積層工程の有無はフレキシブルとリジットの相違点に挙がります。

フレキシブルの板厚については、ロール形式で供給されることからとても薄いタイプまで存在します。積層前の材料単体では最薄10μ(0.01000000mm)、積層して製品になっても片面配線なら100μに満たないこともよくあります。薄いと耐性が心配されますが、ポリイミド樹脂を使用したフレキシブルは耐熱性能が良好です。ガラスエポキシ樹脂で作るリジットの倍近い耐熱性を有します。

製造段階においては、フレキシブルは可撓性やはんだ付け作業の際に生じる漏れ性の影響からOSPの採用が難しいとも言われています。OSPは熱による銅の酸化防止のため実施する耐熱表面処理のことで、有機系はんだ付け保持剤とも呼ばれます。OSPの方がコストは低減しますが、以上の問題から無電解金メッキによる皮膜で回路の保護を図ることが多いです。

フレキシブルは材料の物理的強度が小さいため、部品実装の際はマウンタ作業を可能にするための機械的な強度保持が必要になります。そのことから、フレキシブルは補強板の利用も多いです。補強板には、フィルム・ガラスエポキシ材・ベーク板などを利用します。ただし、補強板の追加により層が増えてプリント基板としての構成が複雑化するため、工程増加の想定も必要です。

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